2011年8月9日(火)~11日(木)の3日間、神田外語学院児童英語教育科1年生・2年生の学生有志16名が、宮城県亘理町の児童館5か所で、教育復興ボランティアを行いました。
特別レポート:
宮城県亘理町「亘理中央児童センター」「逢隈児童館」「荒浜児童館」「吉田児童クラブ」「吉田西児童館」での教育支援ボランティア活動報告
震災から約5か月経過していましたが、子どもたちが受けている震災からの影響は計り知れず、子ども好きな児童英語教育科の学生たちとはいえ、被災地の子どもたちとの関わり方では、事前に入念な心理カウンセラーの指導を受けた上で現地へ入りました。
バスの車窓から見える亘理町の町は一見、大きな被害を受けたようには見えない落ち着いた状況に見えましたが、沿岸部の被害は甚大で、今回学生たちが分散して担当する5つの児童館でも、児童館自体が被災した為、小学校の校舎に間借りして開館している児童館もありました。その中には住宅や家族を失い、仮設住宅での生活を余儀なくされている子どもたちも含まれ、屈託ない笑顔の奥から時折、震災から受けた恐怖や悲しみを垣間見せることもあり、ボランティアの学生たちが当惑させられることもあったようです。各児童館の子どもたちの人数は大きい所で100名ほど、小さな児童館では10名程度で、小学校1年生から5年生までの、特に小学校低学年の子どもたちが中心でした。
ボランティア初日の朝、学生たちはそれぞれの児童館で、子どもたち、職員の方々に温かく歓迎されました。自己紹介などを経て、子どもたちは学生たちの名前と顔をすぐに覚え、無邪気になついて、炎天下にもかかわらず園庭で一緒に元気よく遊びました。また、屋内では学生たちが用意していった英語ゲームなどで楽しいひと時を過ごしました。学生たちも子どもたちと関わることで、被災地でのボランティア活動に対して漠然と抱いていた不安が、たちどころに喜びに変わっていったようです。
それぞれの児童館で行われたアクティビティは、学生たちが学院出発前に準備していったものや、前日の夜遅くまで宿舎で準備したものなど、子どもたちが英語に親しむことを目的とする、児童英語教育科の教育ノウハウを活かした楽しいものばかりで、参加した子どもたちの反応も大変に活き活きとした素晴らしいものでした。また、翌日に実施するアクティビティを準備する際に、場馴れしていない後輩たちを案じた2年生の学生たちが、先輩として様々なアドバイスをしたり、準備を手伝ったりといった場面も見られ、児童英語教育科の学年を超えたチームワークが生まれたことは、今回のボランティア活動の成果の一つとなりました。
子どもたちと過ごす時間は、午前9:00頃から午後3:00頃までで、日を経るごとに毎日が大変短く感じられ、あっという間の3日間でした。最終日の別れ際には、子どもたち、児童館職員の方々が総出で見送りをして下さり、大変感動的な場面が各児童館で繰り広げられたようです。学生の中には感極まって泣き出してしまう者もおり、今回のボランティア活動が、如何に充実した内容であったかを物語るものでした。
今回のボランティア経験を通じて、学生たちは多くのことを学び、感じ取り、また被災地の子どもたちから沢山の力を貰い帰って来たようです。学生たちから提出された感想文にも、16名全員が「是非またボランティア活動に参加したい」、「自分の人生でかけがえのない経験が出来た」、「参加して本当によかった」、等々の前向きな気持ちを表しており、学生たちにとって如何に意味のある、大きな糧を得ることが出来た3日間であったことかが窺い知れます。
今後は児童英語教育科の学生のみならず、全ての参加希望者が何かの形で復興の手助けに加われるよう、ボランティアを企画推奨する学院としても幅広い受け入れ先を開拓し、教育機関として果たすべき役割を担っていくことが望まれている、と実感しています。
被災地の一日も早い復興と、子どもたちの明るい未来を祈念してこの報告を終えたいと思います。
(文:学生部 楜澤聡)
【その他の教育支援ボランティア報告】
・千葉県:旭市(5月下旬~7月中旬/6名)
・宮城県:亘理町(8月9日~11日/16名)
・宮城県:東松島市(8月22日~26日/20名)
・宮城県:女川町(8月30日~9月1日/15名)
・宮城県:南三陸町(9月6日~9日/21名)
・福島県:三春町(9月5日~9月7日/6名)
参加学生のコメント(一部):